新奇超伝導

電子は負の電荷を持つため、電子と電子が近づくとクーロン力によって反発力が発生します。 しかし超伝導体では、電子と電子の間に引力が働き、2つの電子がペアを組みます。 このペアは提唱者の名前を取って「クーパー」ペアと呼ばれています。 ペアを組むことで、電子は別の粒子のように振る舞い、物質によっては電気抵抗がゼロの超伝導性を発現します。

超伝導体の中では何者かが電子と電子の間に引力が働くよう、間を取り持っています。 NbやAlなど、古くから超伝導ととなることがわかっている金属では、原子の微小振動(格子振動)が電子間の引力を媒介しているとされています。 一方、銅酸化物などの「高温超伝導」物質では格子振動以外の何者かが引力を媒介しています。 諸説ありますが、電子のスピンが引力に関与している可能性が高いと言われています。

さらに、電子の運動方向とスピンの向きの相関を決定するスピン軌道相互作用が大きい物質における超伝導は、電子の新たな側面を見出す舞台として注目されています。 このような系では、電子が「Majorana」粒子という、粒子と反粒子が同じ性質を示す素粒子に変化することが予言されており、その存在を見出す研究が活発化しています。