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 電子の自転に相当する角運動量「スピン」が生み出す物性は多様であり、それを探求する研究は「スピントロニクス」という分野を確立しました。さらに最近では、電子のスピンと波動関数を結合するスピン軌道相互作用を利用して物性を開拓する新たな取り組みも進んでいます。
 林研究室では、物質中の電子スピンが関与する物理に関する研究を行っています。金属や酸化物などを含むヘテロ構造のスピン依存伝導や磁性、光・熱応答などの物性を明らかにできる実験が中心となります。最近は特に構造反転対称性が破れた超薄膜へテロ構造において、スピン軌道相互作用が生み出す新たな物性探求とその物理解明に関する研究を行っています

撮影:河口真志「富士山日の出」

ニュース

反発するカイラル磁壁の電流制御

大きなジャロシンスキー・守谷相互作用を有するヘテロ構造におけるカイラル磁壁間に、反発する相互作用があることを実証しました。

反発力により、「結合したカイラル磁壁」が生成でき、電流で駆動できることがわかりました。

 

Current induced generation and synchronous motion of highly packed coupled chiral domain walls
R. P. del Real, V. Raposo, E. Martinez, M. Hayashi
Nano Lett. 17, 1814 (2017)
2017年02月03日

非線形磁気異方性の電界変調

磁気異方性の非線形成分が電界で変調できることを見出しました。

従来の電界効果と逆の符号を持つため、膜厚が薄い強磁性で電界効果が小さくなることがわかりました。

 

Electric field modulation of the non-linear areal magnetic anisotropy energy
Y.-C. Lau, P. Sheng, S. Mitani, D. Chiba, M. Hayashi
Appl. Phys. Lett. 110, 022405 (2017)
2017年01月09日

カイラル磁壁の質量

ジャロシンスキー・守谷相互作用が大きいヘテロ構造において発現するカイラル磁壁の有効質量が静止しているときと動いているときで異なることがわかりました。

ジャロシンスキー・守谷相互作用の大きさによっては、移動距離と駆動電流パルス幅の比例関係が成立しない条件があることを見つけました。

 

Tunable inertia of chiral magnetic domain walls
J. Torrejon, E. Martinez, M. Hayashi
Nature Comm. 7, 13533 (2016) [OPEN ACCESS]
2016年11月24日

スピン軌道効果レビュー

重金属/CoFeB/MgOヘテロ構造のレビュー論文を発表しました。

界面垂直磁気異方性、スピン軌道トルク、スピンホール角とスピンホール磁気抵抗、界面ジャロシンスキー・守谷相互作用など、それぞれの特性と相関に関して議論しています。

 

Spin–Orbit Effects in CoFeB/MgO Heterostructures with Heavy Metal Underlayers
J. Torrejon, J. Kim, J. Sinha, M. Hayashi
SPIN 6, 1640002 (2016) [OPEN ACCESS]
2016年10月14日

金属2層膜のスピンホール磁気抵抗

非磁性/強磁性からなる金属2層膜で大きなスピンホール磁気抵抗が発現することがわかりました。

強磁性金属がスピンホール磁気抵抗に及ぼす影響も明らかにしました。

 

Spin Hall magnetoresistance in metallic bilayers
J. Kim, P. Sheng, S. Takahashi, S. Mitani, M. Hayashi
Phys. Rev. Lett. 116, 097201 (2016)
2016年02月29日
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